ポストコンサルの転職先は事業会社や商社ではなく雇われか否かの2つしかない話

コンサルに限らずプロフェッショナルファームで一定年数働いた方の95%以上は転職します。

ポストキャリアの議論として「事業会社」「ベンチャー」「ファンド」と言った感じで選択肢を並べてあれやこれやと悩む方が多いです。

しかし、そのような選択肢は表面的なものでしかなく、本質的な選択肢は2つです。

「雇う」か「雇われる」のどちらかです。

この部分を正しく認識していないと転職先でも同じような不満にぶつかり、同じような転職活動を再び行うことになります。

今回は、転職における事前準備としての本質的な働き方について考えておきましょう。

ポストコンサルキャリアの全体像

一般的な全体像


世の中に出回っているポストコンサルの転職は主に下記の様な認識になっているでしょう。これは私が、転職エージェントのサイトコンテンツやその手のブログを読み漁ってまとめてみた結果です。

コンサルタントの転職 〜一般論〜

  • 大手事業会社
    • 経営企画
    • 事業開発・新規事業系
    • インハウスコンサル
  • ベンチャー
  • ファンド
  • 同業他社
  • 起業

出所:「ポストコンサル 転職」の検索で引っかかった上位10サイトを参考に激務の心得作成

ベンチャーと起業を一緒に考えていたり、事業会社の部分はやたらとたくさん情報量があるのに起業のパートが薄っぺらかったりと情報に隔たりがあるようです。

いかにも転職エージェントのビジネスがそのまま落とし込まれているサラリーマン型MECEで、転職エージェントはこのフレームワークで考えがちです。

しかし、経営者に関心のある経営コンサルタントがこのフレームワークを使って議論するのが正しいのかは少々疑問です。

ESBIの話

金持ち父さん貧乏父さんを読んだことはありますか?

この本の中で、ESBIという4つの働き方について解説してあります。

  • Employee 労働者
  • Self Employee 自営業者
  • Business Owner ビジネスオーナー
  • Investor 投資家
  • Employeeはサラリーマン、自分で独立した人はSelf EmployeeかBusiness Owner、株式投資や不動産収入で儲ける人はInvestorです。

    コンサルだろうが投資銀行だろうが投資ファンドだろうが官僚だろうが、どんなに給料や社会的地位が高くてもEmployeeです。

    ある程度給料があがってくると給料による幸福感は飽和してきて、裁量の大きさが幸福感に直結するようになります。

    Employeeが他の3つよりも稼ぎが多いこともあるでしょうが、裁量という点においては圧倒的で自分の人生を生きている感はSelf Employee・Business Ownerの方が強いでしょう。

    ポストコンサルから起業を選んだ友人の話

    私の友人であり、ベンチャー、M&Aアドバイザー、PEファンド、コンサルを経て独立した人が実際に言っていた話です。

    avatar

    元コンサルくん

    俺はファンドもコンサルも事業会社もM&Aアドバイザーも起業も経験したけど、本質的にはプロファームだろうが事業会社だろうが顧客のことを考えて仕事をすれば一緒。違いなんてない。

    もっとも違ったのは起業。

    雇われる側から雇う側になったら、明らかにいろんな緊張感が違う。

    私もプロファームと起業と両方を経験して、この意見には同意出来ます。

    転職を考える際には、EmployeeなのかSelf Employee・Business Ownerなのかが最大の分岐になります。

    この部分を理解して、自分なりの結論を出した上で「事業会社で経営企画」とか「PEファンド」とか「ベンチャー」と言った選択肢を考えましょう。

    事業会社に内定をもらって気付いた自分の意向

    私がかつて転職活動の末、事業会社に内定を頂いて条件交渉をする為に会社を訪問した時の事です。

    面談中に先方の面談ログの書かれている書類がチラッと見え、そこに「仕事が出来そうで、使えそうだ」とコメントがされていました。それを見た際に強烈に目が覚めました。

    「人に使われるのは嫌だ」と。

    自分が転職したいと思ったことは、人に使われて働くことが嫌になったことだったのだとはじめて気付きました。

    どんなに期待されて、結果を出したとしてもEmployeeとしてであって、Business Ownerは既に存在していたのです。

    この気づきがなかったら未だに裁量の少なさにストレスを感じるEmployeeだったかもしれません。

    改定:ポストコンサルキャリアの全体像

    以上を踏まえると見落とされていたのは「雇う側」「雇われる側」という働き方にまつわるもう一つ高い視点でした。

    それを踏まえるとポストコンサルキャリアの全体像はこのように改定出来ます。

    コンサルタントの転職 〜激務の心得版〜

    • 雇う側
      • 起業
    • 雇われる側
      • サラリーマン型事業会社
      • ベンチャー・オーナー系企業
      • PEファンド
      • 同業他社

    出所:激務の心得作成

    皆さんは、

    サラリーマンとして限られた裁量の中で社内政治を含めて仕事をする事を希望しているのでしょうか?

    それとも

    くだらない社内政治から開放されてオーナーとして事業に取り組んでみたいと考えているのでしょうか?

    この視点が無い中で転職するとEmployeeの世界が継続するだけで基本的には何も変わりません。

    勤務形態や会社のカルチャーといった表面的な部分が若干変わる程度です。

    事業会社だろうがコンサルだろうが投資銀行だろうがPEファンドに行こうが、自分の仕事に対する意識は大きくは変わりません(事業会社だから仕事に対して手を抜いてもいいとかないですよね?プロとして仕事しますよね?)。

    事業会社にいってもスピード感と周りの人間のスペックが異なるだけで本質的な変化はありません。

    雇う側・雇われる側という2つの軸を中心にそれぞれの選択肢について考えていきましょう。

    雇う側


    雇う側と雇われる側は、180度違います。雇う側には労働基準法も無ければ安定したボーナスもありません。

    その代わり裁量があります。

    両方経験した人にも聞いてみてください。

    起業

    私は紆余曲折あってポストコンサルから起業を選びました。

    若い頃は、私も皆さんと同じようになんとなく「ハンズオンやってみたいなぁ」とか「経営やってみたいなぁ」とフワッと考えていました。

    今考えると非常に浅はかです。その考えの延長とまわりの同僚やOBの方々が事業会社の経営企画に転職している姿をみて、そういうもんなんだろうと勝手に思っていました。

    実際に転職活動をしてサラリーマン型の事業会社やオーナー系事業会社にいって面談をし、内定を出して頂いた企業もありました。しかし、転職活動を通じて、自分で経営をやることは自分で会社をやらない限り無理だと気づきました。

    それからどうやって起業するか考えるようになるのですが、このあたりまで考えが至ると就職の条件である年収◯◯◯◯万円とか社長直轄のポジションと言った話はどうでもよくなり、実に小さい話の中で悩んでいるのだろうと達観出来ました。

    私のようになんとなくでも「経営やってみたいなぁ」とか「ハンズオンやってみたいなぁ」と考えている人は起業という選択肢を考えてみてください。

    イメージわかなくてもそういう選択肢もあるという程度でも構いません。現在は人手不足な世の中なので、コンサル経験者の働きぶちはいくらでもあります。
    少しでもその気がある方はチャレンジしてみてください。

    こちらも参考にしてみてください。

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    起業のネタはあるのか、、、あるじゃねぇ、自分で探すんだよぉ!

    事業のネタなんていくらでもその辺に転がっています。

    コンサルのプロジェクト内でいろんな業界構造をスタディーしてこうしたらもっと健全になるのになぁみたいな事を思いつくこともあるでしょう。もちろんプロジェクトじゃなくても構いません。日常生活で自分が感じることをビジネスとしてやってみればいいじゃないですか。

    思いつかないようなら起業は向いていないからやめましょう。

    それでも起業して経営したい人は、独立してフリーのコンサルタントでもやってみてください。フリーでコンサルやることも立派な経営です。自分の稼働率とキャッシュフローを見つつ、自分の資金でリスクをとって行うことで経営の厳しさ、スタートアップの大変さがわかるはずです。

    ポストコンサルキャリア2:雇われる側


    ここからは一般論として出回っている意見とそれほど大差はありません。

    サラリーマン型事業会社


    事業会社でも具体的には、経営企画だったり新規事業開発だったり、大企業のインハウスコンサルが主な転職先です。大企業すぎるとサラリーマン的な内部調整と根回しに時間がかかり、経営の手触り感が感じられることは無いでしょう。それでも看板の大きさと動かせるお金の大きさは起業やベンチャーとは桁違いですので、組織がいかにアホかを居酒屋でぐちるような絵に描いたようなサラリーマンに陥ることなく、ダークサイドスキルをフル活用して組織を動かすことに四苦八苦しましょう。

    コンサルから経営企画へ転職希望者必見!事業会社のリアル
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    クライアントの事業会社

    また、コンサル時代のクライアント先の事業会社から転職のオファーを受けることもあるでしょう。そんな時はこちらを参考にしてみてください。外部の人と内部の人では見える景色と社内での発言の与える影響度合いも違ってきます。

    コンサルの転職先としてクライアント事業会社!?「うちに来ないか」と声を掛けられたら
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    ベンチャー企業と言うと今風で格好良く聞こえますが、言い換えればオーナー系の中小企業です。オーナー系企業において経営者は社長です。絶対です。中途採用で外部から来た人が経営を出来ると思ったら大間違いです。あくまで社長のサポート役という立場を忘れないようにしてください。勘違いして、社長と対立するような事があってはいけません。その時はあなたが辞めるときです。社長との相性を見極めた上で転職してください。

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    PEファンド

    王道過ぎてもはやつまらない感が出てきてしまっている投資ファンドです。

    投資ファンドはあくまで投資業であって、顧客はファンド出資者です。評価指標はIRRのみと思ってください。

    どんなに素晴らしい業務改善を投資先でやったとしてもIRRが全てです。

    経営が出来ると思ったら大間違いです。詳しい解説はネット上にたくさん出回っているからそちらを参考にしてください。

    当サイトでもPEファンドでの仕事や転職について記事にまとめましたので、合わせて参考にしてみてください。

    PEファンドへの転職に興味ある人必見!業務内容と求められるスキル
    コンサル・投資銀行からの王道転職の一つにPEファンドという選択肢があります。 著名なコンサルファームにいらっしゃる方は、一度は脳裏によぎったことがあるでしょう。 PEファンドもコンサルもアップorアウトのカルチャーが強く、サ...

    同業他社のコンサル

    これももはやここで語る必要はないでしょう。ポジションや待遇、ファームのカラーが変わるのでしょうが、現役の方の方が詳しいでしょうし、自己判断でお任せします。

    まとめ:あなたがやりたいのは社長なの?サラリーマンなの?どっち!?


    いつか経営をやってみたいと思ったことのあるコンサルタントの皆さん、それって社長のことですよ。CFOとかCXOとか社長じゃないですからね。サラリーマン型事業会社に入社しても社長まで出世するのも物凄く大変ですし、社長になれるとも限らないですから。わかりますよね?オーナー系企業なんて説明するまでもないですよね?

    まずは自分のスタンスを明確にした上で、考えましょう。

    この視点が無いとどんなに優秀な転職エージェントに出会っても有効に使いこなせませんし、いずれ同じことの繰り返しが発生します。
    スタンスが決まった方は転職エージェントに接触してみましょう。起業を選択した方も将来、エージェントを使う可能性も出てきますし、フリーのうちに就職活動を装って将来、競合になりそうな企業に接触することも出来る可能性があります。ぜひエージェントを使いこなしてみてください。

    ここまで読み進めるような方は、真剣に転職をお考えの方でしょうからガチ系の↓のエージェントをおすすめします。

    コンサル転職、ポストコンサル転職特化型のアクシスコンサルティング

    リクルートがビズリーチを本気で越えようとして真剣度が違うキャリアカーバー

    条件を落としたくない人向けには1000万円以上の求人に特化しているランスタッドに登録すれば十分かなぁと思います。

    ビズリーチは既に登録している方も多そうなのであえて紹介しませんでしたが、まだの方はあわせてどうぞ。

    ただし、キャリアカーバーやランスタッド等のヘッドハンター型のサービスはヘッドハンター依存になることもあり、「すぐに転職する必要はないが、良い求人があれば応募したい人で年収が500万円を超えている方」は、時間があるときに登録しておいたほうが良いです。

    「いつか誰かが声を掛けてくれるかも」と待っていてもヘッドハンターもやって来なければ、オーナー社長が声を掛けてくれることもありません。

    また、どんなに優秀なヘッドハンターでも自分のタイミングで良い求人情報を持ってきてくれるとは限りません。

    まずは自分からアピールして、転職市場に対してフラグを立てることから始めましょう。

    以上「ポストコンサルの転職先は事業会社や商社ではなく雇われか否かの2つしかない話」でした。

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