世間的に「外資系企業は仕事が出来ないとクビになる」とか「投資銀行は社員をいつでも解雇できる派遣社員的なものと考えている」とか「外資系コンサルはアップ or アウトの世界で、出世できない奴はクビになる」とか言われています。
外資系コンサルや投資銀行、投資ファンドは、ファームによって温度差はあれど解雇される事はあります。
そんなクビになるプロセスとその対策について考えていきましょう。
プロの世界なんだから戦力外通告がおきるのは当たり前!
プロのスポーツ選手に戦力外通告があります。多少揉めることはあっても、プロはその結果を受け入れて辞めていきます。チームにしがみつく人はいません。
プロのスポーツ選手が戦力外通告されるとファンの方なんかは、「前からそんな気がしてたんだよ、仕方ないよな〜」という納得感ありませんか?
外資コンサル・投資銀行・投資ファンドの世界もプロフェッショナルファームと言われるだけあって、同じような仕組みです。
外資コンサル・投資銀行・投資ファンドの世界も戦力外通告には、前兆があり、周辺はなんとなく理解しています。
前兆を順を追って見てみましょう。
STEP1:プロジェクト終了後のフィードバックが厳しかった
外資コンサル・投資銀行・投資ファンドの仕事はプロジェクト単位が多く、1ヶ月〜3ヶ月の期間が区切られています。(もちろん長期プロジェクトもあります)
このプロジェクト終了後に上司からフィードバックをもらうのですが、ここで評価が低いとヤヴァイです。
ただしある1人の上司に低い評価をされただけでは、終了になりません。
プロマネやチームメンバー、クライアントとの相性もありますし、他のチームではパフォームするかもしれません。
STEP2:プロジェクトにアサインされなくなり、「アイツ微妙〜」的な噂が流れ始める
STEP1のような芳しくない評価が2-3回続くとプロジェクトにアサインされない期間が増えてきたり、なんとなく社内イベントや研修等の内向きな仕事が増えます。
最初は暇な状況も楽しめますが、忙しそうに働いている同僚を見ていると徐々に羨ましくなり、辛くなってきます。
社内的にも「アイツは微妙だからアサインされていないみたいだ」といった悪い噂が回りはじめます。
プロファームの世界は、ものすごく分かりやすいほどのレッテル文化であり、「使えない」と思われたら終了と思ったほうがいいです。
STEP3:死期を感じ始める
プロファームで働く皆さんは、もともと(学歴的・偏差値的に)優秀なので、自分が使えないと認識されていることは意外と早い段階で察知します。
働く皆さんもプライドの高い方が多いため、戦力外通告を受ける前に自発的に”次のキャリア”を考え始めます。
鈍感力に優れた1割の方は、居座り続けます。
STEP4:死の宣告
鈍感力に優れた1割の方は、ある日パートナー(役員)に呼び出されて、死の宣告がくだされます。
ファームによって2on1だったり、1on1だったりと違いはあれど、真面目にお話されます。
話の内容を要約すると「まぁ、ここだけが人生じゃないし、ハッピーになれる世界が他にあるから頑張ろうよ」といった内容でしょうか。
お互いに大人ですので、感情的になって罵り合いになるようなことはありませんし、そういった前提を理解して入社してきているので”戦力外通告”で揉めることはありません。
その後
その後、事業会社の経営企画部門に転職して活躍したり、ベンチャーに行ったり、自分で起業したり様々です。
ちょっと格の落ちる同業に行ったりする例も見ますが、同じような評価を受けてしまうことが多いように思います。(もちろん、そうじゃない人もいます)
コンサルなり投資銀行で戦力外通告を受けることは、その人が無能だとか仕事が出来ないということではありません。
むしろパートナーになれるのはほんの一握りの人達なので、気にしないで良いでしょう。
実はみんな死の宣告を受ける前から対策をしている
どんなに優秀でも全員が昇進出来るわけではないので、出来る人ほど常に他の選択肢を把握しながら働いています。
ポジションや役職は関係ありません。奴隷として働くアソシエイトも奴隷使いのマネージャーといった若手はもちろん、ディレクター・パートナーの立場でも常に社外のエージェントやヘッドハンターと接触して、自分の次の場所に対するアンテナは張っています。また、戦力外通告やクビになった人達の面倒を見て再生させるのも転職エージェントやヘッドハンターだったりします。プロの力を借りておいて損はありません。
ここで一つ注意してほしいのは、死の宣告を受けてから登録しては遅いということです。
自分のパフォーマンスが怪しいと感じたら、バックアッププランとしてガチ系エージェントのキャリアカーバー、ランスタッド、
ビズリーチ
に登録しておきましょう。どんなに優秀なヘッドハンターもあなたのタイミングでタイムリーに求人は引っ張ってこれません。いつでも次の職場に移れる環境は自分で作り込むしかないのです。
また、まだそこまでじゃないと思っている方も転職市場をざっと眺める為のdodaやリクルートエージェント
といった大手のエージェントに登録することをおすすめします。具体的な情報が流れてくるだけでも心が安定します。
更に、常に「自分には他の選択肢がある」ことを知っている方が、心に余裕が出来て仕事のパフォーマンスがよくなるという側面もあります。登録はめんどくさいですが、忙しさがピークに達すると登録する気力すらなくなってしまいますので、元気な時に登録は済ませておきましょう。長期的に見たら損することは一つもありません。
まとめ:全員がパートナー(役員)に昇進出来るわけじゃない
99%の外資コンサルなり投資銀行に勤務している人は転職します。
そもそもこの世界に入る事が出来る(学歴的・学習能力的に)優秀な1%の選ばれし者の中の1%程度(0.01%程度)しかパートナー(役員)になれないのですから、気にすることはありません。
私は氷河期世代で、最初から終身雇用レールには乗らなかった。新卒で入った会社にレールはあったけど、入社初日にいつ降りようか考えた。
その会社と前職の最後一年間は、私は評価の低い社員だった。けど今は高い評価を頂いてる。
場所を変えれば評価も変わる。
終身雇用制度がなくても大丈夫かもね😊— cappy (@capibara212) 2019年5月14日
1%の小さな世界で戦わずとも活躍できる世界はたくさんあります。例え戦力外通告を受けたとしてもあまり落ち込まずに前向きに生きていきましょう。
場所が変われば評価も変わるのですから!
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何でも出来ると誤解されがちなコンサルタントですが苦手なこともあります。転職する前に抑えておきましょう。

大学卒業後、ファンド・コンサルで10年以上働いて独立しました。今は、個人でコンサルやりながらニッチなメディアの運営を行っております。詳しいプロフィールはこちら。
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