コンサルから事業会社・経営企画へ転職の光と影


コンサル卒業後のポストコンサルキャリアの王道の1つに事業会社の経営企画に転職することがあげられます。

「コンサルみたいなエクストリームスポーツはもうキツイ。これまでのスキルを活かしつつ、もう少し緩く働けるところはないかなぁ」と考えるのは皆さん一緒なようで、多くの方が事業会社の経営企画に巣立っていきます。

しかし、必ずしも全員がハッピーなキャリアを過ごせている訳ではなく、後に苦渋の決断をする方もいらっしゃいます。

そんな王道の1つである事業会社の経営企画について、いくつかの事例をもとに本当に幸せな選択肢なのかどうかを考えていきましょう。

経営企画の仕事とは何か

主な仕事1:予実管理・事業計画系


事業会社の経営企画と言われる人達の主な業務は、企業によって差はあれどこのあたりがメインじゃないでしょうか。

  • 予算・事業計画の取りまとめ
  • 予実分析や事業ポートフォリオを見てうんぬんかんぬんする
  • 経営会議や役員会の運営

これだけを見ると全社の足元を数値をみながら、将来を考えて、会社をコントロールする部署のように見える人もいるでしょう。それは半分ぐらいはあたっています。

しかし、忘れてはいけないのは経営企画自体が何か事業を直接やっているわけではないということです。

直接のお客さんに会うことはあまりなく、内向きな仕事が多いことに不満を募らせる人がいるのも事実です。そして経営企画マターの案件は取締役会なり経営会議で意思決定されることも多く、会社によってはあまり部署として権限はないと感じることもあるでしょう。

権限がないと経営企画部と言いつつも総務部の事務屋さんに見えて来ますし、実際に総務的に働いている人を見て、あまり面白そうじゃないなぁと感じることもあります。

主な仕事2:業務提携やM&Aの前捌き系

また、持ち込まれたM&A・事業提携の案件や新規事業のネタを投資銀行やコンサルに指示を出しながら進めていくのも経営企画が行うことが多いです。

  • 持ち込まれたM&Aや業務提携の検討
  • 新規事業の検討

初期的な事前検討をした上で、前向きに進める場合は経営会議でDDの決裁を取ります。その後は、DD業者を呼んで調べてもらって、判断して、経営会議に臨むといった流れですね。

これらの検討も大企業になると持込案件も多く、自分で会社のポートフォリオを考えるというよりも、受け身の姿勢になりがちです。

実際に私もいろんな企業の経営企画と一緒に仕事をさせてもらいましたが、自分の意思や想いもなく調整業務だけになっちゃっている人をたくさんみました。(権限がないからそうなっちゃったのか、もともそサラリーマン的に言われたことをこなす人なのかはわかりませんが)

具体的な事例から読み解く経営企画

ここからは私が知っている実例をもとに経営企画の実態を見て行きましょう。

大企業経営企画


ある大企業での話です。伝統を重んじるそのスタイルは営利企業というよりも既得権益を持っている官僚組織といったところでしょうか。

社内の人達は内向きの分析資料をよく作っていました。私以外にも体験されたことがある方がいっらっしゃいます。

こういう企業は経営企画に限らずいろんな部署に専属のコンサル会社がいて、高度な内向きな戦いをやっています。予算の取り合い、派閥争いと言う名の社内政治です。その社内政治を外部のコンサル会社にアウトソースしていると考えるとわかりやすいでしょうか。

しかし、中堅社員になってくると社内政治も仕事になってくるのは事実です。社内政治がくだらないと感じる方は独立してくだらない社内政治からは距離を置いたほうが幸せになれます。

逆に言えば、社内政治も仕事と割り切ることが出来る人は、そのまま大企業で上り詰める道を目指しましょう。出世競争をしながら大きな数値、責任をコントロールして競い合うことが楽しい人かもしれません。

人それぞれ楽しみを感じる部分は異なります。

社内政治に関してはこちらもどうぞ。

コンサルや投資銀行といったプロファームは賢くて仕事がめちゃくちゃ出来て、人間的にも魅力的な先輩っていますよね。しかし、そんなスバラシイ人...

オーナー系企業経営企画


オーナー系企業になるとまたちょっと変わってきます。
自分の意思うんぬんの話よりもオーナーの意向が良くも悪くも大きく影響を与えます。
自分がやりたいことをやるためには、まずはオーナーに気に入られることが必要不可欠です。気に入られて(少しの)自由を得ることが出来ます。

また、オーナーが自分でなんでも決めたがる人だと自分の意思とは関係なくこんな感じでご意見を伺うことになります。

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経営企画くん

今回のお題は某社から持ち込まれたXX事業でのXX社との業務資本提携でございます。

本件を進めたメリットとデメリットはこちらです。

社長様、ご判断を!!

あそこの社長の依頼だったら断れないよね。
じゃぁ、やろっか。

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社長くん

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経営企画くん

ははーー
承りました。

成長著しい企業系経営企画


成長著しい企業、一昔前で言えば楽天・DeNA、最近で言えばメルカリでしょうか。
このあたりはオーナー系企業の側面もありますが、慢性的に人が足りていない分、与えられる権限は増えるでしょう。

M&A案件でも検討して、実行まで行けたら、そのまま現場に行くことを求められることが多いです。そうなると気がついたら名刺が経営企画から○○事業部になっていて、現場で事業の泥臭い部分をやることになります。

この泥臭い部分をやりたかった人は水を得た魚のようになり、仕事が面白いと思うことでしょう。一方で、社内政治を含めた大企業で天井人のように振舞いたい高学歴エリート官僚体質の人であればこの手の企業は向いていません。そういう人は先に述べた「大企業経営企画」の方が向いていることでしょう。

コンサルと事業会社・経営企画の違いはポジションをとれること

コンサルや投資銀行等の第三者のフィービジネスをやっている人達は、顧客の意思決定を促すことは出来ても意思決定することは出来ません。逆に言えば、事業会社は意思決定して、その事業に突っ込んでいくことが出来ます。この部分が本質的な違いです。

この本質的な違いを活かせない人は事業会社に転職しても面白くないでしょう。

悪い事例:ポジションとれない人

自分に決裁権限がないので、持ち込まれた案件に対して、コンサルや投資銀行を酷使して得た結論を携えて経営会議にて、こんな感じで臨んでいきます。
再掲。

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経営企画くん

今回のお題は某社から持ち込まれたXX事業でのXX社との業務資本提携でございます。

本件を進めたメリットとデメリットはこちらです。

社長様、ご判断を!!

正直、このスタンスだとコアの部分をアウトソース(≒DD丸投げ)して、意思決定は人に投げたままで、コンサル時代に感じていた物足りなさは埋まることはないでしょう。

良い事例:ポジションとれる人

逆に意思決定を促して決裁を取りに行くぐらいのスタンスがあれば違った面白さを感じることは出来るでしょう。

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経営企画くん

今回のお題は某社から持ち込まれたXX事業でのXX社との業務資本提携でございます。

本件はこんなリスクは伴いますが、当社にとって取り組む意義は大きいです。

本件買収後はPMIも含めて経営企画から人を出すことも考えています。

こんな感じでポジションをとれることがコンサルと事業会社の最大の違いです。その部分に興味を持てない人は給料の安い社内DD業者的な役割になってしまいます。

追記:
コンサルから事業会社というキャリアを実際に歩んでいるOkumaさんからこのようなコメントを頂きました。
とても深い示唆が含まれているので参考にしてみてください。

まとめ:ポジションをとった仕事をしよう


いかがでしたでしょうか?
事業会社の経営企画にもいろんなタイプがありますが、コンサルから転職する場合は、ポジションをとれることこそがもっとも大きな違いです。

失敗してもいいから積極的に意思決定して、事業の当事者としてポジションをとって計画の実行フェーズに取り組むことに魅力を感じる人は、やってみる価値があると言えるでしょう。逆に言えば、ポジションを取らせてもらえないような事業会社であればさっさと見切りをつけて次のステージに移りましょう。

事業会社への転職活動をする際には、ビズリーチキャリアカーバーといった転職エージェントから情報を取ることはもちろん、面接官を通じて自分がやりたいことに挑戦できそうかどうかを見極めてください。

ちなみに、この手の求人情報はタイミングがあります。顔が広くて有名な転職エージェントと言えども、あなたのタイミングで最適な情報を持っていることは稀です。「すぐに転職する必要はないけど、良い求人があれば応募したい人で年収が500万円を超えている方」は、早めに登録していざとなった時に声が掛かる様に準備しておきましょう。

合わせて読んでほしい

事業会社への転職がぼんやりとでも見えてきたら、ちょうどいいタイミングですので合わせて出世に必要不可欠な社内政治についても意識を向けてみてください。
社内政治を理解することによって方針が明確になります。

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