1次情報に触れよう!「リアルを知らねえから言葉の重みが足りねえ」になるな


コンサルや投資銀行や投資ファンドといったプロファームは業種にこだわらずにいろんな業界を覗き見ることが出来るという特徴があります。

人によっては、その業界の人であるかのようにリアリティーを持って話を聞ける人と「どうせよく知らないんでしょ?」と思われてしまう人がいます。この違いは、誰しもがどこかで聞いたことがある「リアルを知らねえから言葉の重みが足りねえ」というラップバトルのあのフレーズを思い出してください。

今回は、1次情報に触れる(≒リアルを知る)ことの重要さについて考えてみたいと思います。

外食産業の案件が来たら一番最初にやることは店舗に行ってみること

かつて外食チェーンの投資案件に関与した時の話です。
ある若手は、持ち込まれたインフォパックを読込み、競合他社の動向をリサーチし、財務と事業計画をみて会社概要を掴んで語るのですが、どこかに違和感がありました。

若手くん
若手くん
この会社は、寿司屋のチェーンで、都内に10店舗あり、高単価のブランドXXXと低価格帯のブランドZZZZの展開をしています。
先輩くん
先輩くん

店舗ってどんな感じ??行ってみた??

若手くん
若手くん
行ってません。。。。
時間が無くて、、、

これでは論外です。

若手くんは真面目です。そんな真面目な人ほど、本をよく読み、机に向かって勉強します。

もちろん、それは素晴らしいですし必要な事です。

偏差値教育においてはそれで十分なのですが、社会人として仕事して金を稼ぐとなるとそれでは不十分です。

リアルな金儲けの世界においては、実際の空気感を自分で感じ取って、自分なりに仮説を立ててください。

百聞は一見にしかずです。

1次情報は積極的に取りに行け

『HUNTER×HUNTER』22巻より(C)冨樫義博/集英社

今、勢いのあるTik Tokがなぜ若者に受けているのかについて書かれた記事を熱心に読んだり、ツイッターでユーザーのコメントを必死に調べるのはもちろん立派なことですが、他人からの2次情報に過ぎません。

どんなに大量の2次情報に触れたとしても自分がユーザーとなって実際にTik Tokのユーザーになって触ってみて、動画を投稿してみるという1次情報(直接自分で取得した情報)には到底敵いません。

また、1次情報がない状態で2次情報に触れても、2次情報は平面的に見えてしまい、どこか知らない世界の話を聞いているようにしか思えません。

しかし、1次情報がある状態で2次情報に触れると具体的な事をイメージできるようになり、2次情報が立体的に見えてきます。

私の先輩の実話を1つ紹介しましょう。

消費者金融の案件を担当した際に、消費者金融でお金を借りたことがなかった先輩はまず自分で消費者金融でお金を借りてみました。

そして、回収業務(≒取り立て)にこそ消費者金融の価値の源泉があると考えて、わざと支払いをせずに回収がどのように行われるかを身をもって体験していました。

消費者金融からお金を借りると信用情報に傷がついて、ナニワ金融道みたいに「あいつ、他の所からつまんでやがった」と言われるかもしれませんが、そんな小さなことよりも顧客にサービスを提供する為に身を削って1次情報を取得しました。

これぞプロフェッショナリズムですね。

BtoCのような自分が顧客にもなれるようなビジネスに置いては、消費者として利用してみるという行為は必ずやりましょう。

それすらしていないのに、「投資する」とか、「御社のサービスは、、、」とか偉そうな事を言ってはいけません。

誰でも出来るそんなことさえしない人がまともにビジネスを見て評価出来ると思えないし、そんな人にコンサルタントとして相談に乗って欲しいとは誰も思いませんよ。

1次情報をとった人と取らなかった人の事例

セブンペイの不正利用が発覚した際に、社長が二段階承認について知らなかったという話が話題になりました。

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古くはネットバンクの承認、最近ではGoogleやアマゾン、仮想通貨でも当然のように二段階承認は使われています。二段階承認を知らない、使ったことがないとなるとネットサービスに関してかなり疎いことは容易に想像出来ます。社長が自分の業界について全く知らない、試してもいないではまともなサービスなんて作れるわけがありません。この手の会社の社長をやるんだったら、モバイルSuicaもiDもnanacoもペイペイも全部試して競合他社のサービスに触れることは最低条件でしょう。

その一方でファミリーマートの新社長である沢田さんは、社長就任前(当時は顧問)にコンビニ店舗スタッフの研修を実際に受けました。

ファミマ沢田新社長「バカでも何でもやる」
9月1日にサークルKサンクスとの統合で誕生した新生ファミリーマート。伊藤忠商事やファーストリテイリングを経て社長に就任した沢田貴司氏が、日経ビジネスのインタビューに応じた。

レジから清掃、発注まで一通りの仕事を自分で実際にやってみてスタッフの大変さを身をもって学んだとのことです。一次情報を自ら自分で取りに行ったからこそ、現場目線を持ってオペレーション改善に臨めたとおっしゃっています。

一次情報をとった人と取らない人の結果が大きく出たわかりやすい事例ですね。

コンサルのレポートで一番顧客が関心を示すページ


ビジネスコンサルのプロジェクトにおいて最終報告に分厚い報告レポートをまとめます。

その中で「市場規模の推移」とか「競合他社がどうだ」とか「この市場のゲームのルールはこうだからこうしよう」といった事がわかりやすくまとめて書いてあるのですが、お客様がもっともありがたがるページは顧客や顧客候補者のインタビューメモやアンケート調査だったりします

インタビューは実際にコンサルタントが消費者にあって掻き集めた1次情報です。

お客様の方が業界経験も長いため、業界のビジネス構造に関してはコンサルタントよりも詳しいです。

しかし、1次情報を短期間で大量に集めてくるという行為においてはコンサルタントに分があります。

そこにこそ外部コンサルタントの価値があるのです。

この部分をコンサルタントがやらなくなったら、コンサルの存在意義は半分ぐらいになっちゃうのではないでしょうか(残りの半分は、会議のファシリテート・論点整理・高速事務処理能力あたり)。

とにかく自分で情報に直接触れることの大切さを理解してください。

まとめ:自分の体験にまさるものはない

第三者が書いたレポートを参考にするのは構いませんが、自分でも確かめる事を忘れずにやりましょう。

お勉強とフィールド調査のバランスが取れていない人は多いです。

Tik Tokを触ったことがないのに「若者を攻略するのにTik Tokは外せない、、、」とか言ってませんか?

Tinderに登録して異性に出会ったことがないのに「Tinder?Dine?パパ活アプリでしょ?」とか言ってませんか?

ブログを書いたことすらないのに「ブログはオワコン。これからは動画の時代っ!」とか言ってませんか?

まずは、自分で試してみましょう。

自分で試していないのに、その事について何か言っていたとしたらそれは老害です。

以上「1次情報には必ず自分で触れよう!意識高い系の痛い人になってはいけない」でした。

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