PEファンドの年収はビジネスモデルを理解するとなんとなくわかる話

こんにちは。

PEファンドの業務内容やコンサルから見たカルチャーギャップ的な側面は以前別の記事にも書きましたが、検索ワードを見ていると年収や給与といった条件面について知りたい人が多いようですのでまとめてみようと思います。

「○○というファンドはこれぐらいの年収らしい」と都市伝説的なことを書いても意味がないので、ファンドのビジネスモデルを理解した上で、どれぐらいの条件が期待できるかを構造的な部分から把握していきましょう。

PEファンドの年収はファンドの管理報酬をみればわかる?

PEファンドのビジネスモデルをご存知でしょうか?

コンサルくん
コンサルくん

会社を安く買って、高く売って儲ける!

就活生みたいな浅いこと言わないでください。それだと高く売って儲けるまでは、キャッシュが入ってこなくて干上がっちゃいますね。

ファンドの収入源には、主に管理報酬と成功報酬があります。

まずは、あなたがPEファンドの運営会社を経営するという視点で、収益モデルを理解することから考えましょう。

管理報酬はファンド総額の2-3%


PEファンドは通常の安定収益として管理報酬があります。

仮にこんなファンドだったとしましょう。

GKM1号ファンド(仮)
運用期間:10年
ファンド総額:100億円
管理報酬:2%
成功報酬:20%

ファンドの運営会社は、ファンド総額の2%を管理報酬として受け取ります。(管理報酬の相場は2〜3%程度、投資が完了した6年目あたりから管理報酬が少なくなることが多いが、話をわかりやすくするために2%固定とする)

100億円のファンドであれば、2億円が毎年入ってきます。

運用期間を10年とすると、2億円×10年=20億円は管理報酬です。

つまり投資に使えるお金は80億円。

逆に言えば、年間2億円でファンドを運用しなくてはいけません。

管理報酬2億円の使いみちを考えてみましょう。

PEファンドの固定費


細々とした費用を上げるときりがないけれど、大きいのはオフィス賃料と人件費でしょう。

ザックリと仮置するとこんな雰囲気ですかね。もっと精緻に作りたい方は自分で計算してください。

オフィス賃料:12M(100万円×12ヶ月と仮定)

人件費:150M

  • アソシエイト 15M ×2名
  • マネージャー 20M ×2名
  • パートナー 30M ×1名
  • バック・ミドル 8M ×1名

 

交際費・出張費・その他:20M

合計:182M

固定費で管理報酬の90%を使ってしまいました。

PEファンドの変動費


ファンドの運営会社における大きな変動費と言えば見送り案件のDD費用です。

投資した案件のDD費用は取得原価としてファンドから支払いが出来ますが、見送った案件は管理報酬から負担することになります。

コンサル、弁護士、会計士、税理士といった外部のプロフェッショナルを使ったけど、投資に至らなかった案件はどうしても発生してしまいます。

固定費が182Mなので、DD費用がちょっと18Mとは心許無いですね。

ファンドの運営会社はこのバランスを鑑みながら固定費を削ったりして、管理報酬の範囲内で投資活動を行うわけです。

成功報酬はアップサイド

次にファンドの運用が順調に進んで、キャピタルゲインが発生した場合にことを考えてましょう。

具体的にこんな案件を想定して考えてみましょう。

投資額:20億円
売却額:40億円
キャピタルゲイン:20億円
成功報酬:20%

ファンド出資者への分配:20億円+16億円
ファンド運営会社が受取る成功報酬:4億円(20億円×20%)

ファンド運営会社は、4億円を受け取って、それをさらに従業員(6名)で分けます。

パートナーはガッツリ2億円もらうかもしれませんし、部下によく働いたといって多めに支払うかもしれません。

この分配をファンドをトータルでやるわけです。

もちろん、投資家とファンド出資者との契約の中で、元本を返しきってから成功報酬が発生するとかいろんな条項があるでしょう。

要は成功報酬はアップサイドであって、ベースとなる運営は管理報酬で行われるわけです。

2号ファンドが組成できてはじめて拡大路線に舵を切れる

管理報酬が2億円という前提で話を進めてきましたが、実際は投資する為にコストが掛かる最初の方が厚めに、後半は薄めにといった感じで少しずつ管理報酬が減っていきます。
具体的にはこんな感じ。(細かい条件や料率はファンドごとに契約によって異なる)

  • 1-5年目 2.0% 2.0億円
  • 6-8年目 1.5% 1.5億円
  • 9-10年目1.0% 1.0億円

ファンド単品でみると満期に向かっていく過程で管理報酬が減っていきます。

成功報酬も入ってきますが、成功報酬は一過性の収入ですので、ファンドの運営会社としての安定の為には管理報酬が欲しくなりますね。

そこで2号ファンドの登場です。

4年目ぐらいに2号ファンドの組成に成功すると管理報酬がダブルで入ってくるのでファンド運営会社は潤います。同規模のファンドであれば、管理報酬が2億円追加で入ってくるので、合計4億円になります。

2号ファンドが組成できると管理報酬も増えるため、ファンド運営会社は人材採用をして運営を強化出来ますし、オフィスが少し広くていいところにも引っ越せたりします。

ファンドの責任者はこのタイミングでようやくホッと一息つけます。

逆にファンドに入社する絶妙なタイミングは、2号ファンド組成の時期だろうと想像出来ますね。

PEファンドの年収を知りたい人は、ファンド運用額を抑えよう


PEファンドであればWebサイトに運用しているファンド情報の記載があります。

日本を代表するこちらだったり、こちらのPEファンドであれば運用額1,000億円オーバーの管理報酬はざっくり20億円オーバーになります。

20億円超の管理報酬を(多くても)数十名で運用すると考えると、著名なPEファンドの天文学的な年収もなんとなくわかる気がしませんか。

逆に運用総額100億円規模のファンドだと管理報酬は2億円ぐらいなので、その範囲で出来ることも見えてきます。

つまり、あなたがPEファンドへの転職を考えているのであれば、「PEファンドの運用額」と「従業員数と役職の構成」がわかるとなんとなくあなたが転職した後にもらえる年収とその限界が見えてくるわけです。

それぐらい自分でフェルミ推定出来ないようではPEファンドには転職出来ません。

「PEファンド 年収」で検索するようなバカなマネはやめて、転職エージェントに人材を募集しているファンド名と運用額と人員構成をヒアリングして、自分で予想しましょう。

まとめ:PEファンドの年収が知りたいなら運用総額と従業員構成を抑えよう


PEファンドのビジネスモデルは非常にシンプルでキャッシュフローが読みやすいため、運営サイドの懐事情が予想しやすいです。

PEファンドで働きたいのであれば、「よくわからないけど投資って面白そうだし、今よりも条件が悪くならないし、ありだなぁ」と妄想にふけって、「PEファンド 年収」とググらずに、PEファンドのビジネスモデルを理解するところからはじめましょう。

ファンドの構造が見えてくれば、採用のタイミングも貰えそうな年収も見えてきます。

ぜひ、転職エージェントに情報をもらう際には、「ファンド運用総額」と「従業員数と役職の構成」の情報をもらって、いろいろフェルミ推定してみてください。

転職エージェントですが、PEファンドを想定すると下記の3つのエージェントは登録しておきたいところです。

この3社であれば、確実にPEファンドに人材を送り込んだ実績がありますし、PEファンドから転職する人も対応しているので、PEファンド側のカルチャーやファンドレイズのタイミングのような定性的な情報にも精通していると思われます。

年収1000万円以上の求人情報に特化しているランスタッド

リクルートグループがビズリーチを超えるためにガチで取り組んでいるキャリアカーバー

高級人材に強いと言われている、もはや説明不要のビズリーチに登録して最新の情報をもらいましょう。

PEファンドの求人は小規模であり、ヘッドハンター依存になる部分も大きい為、少なくとも自分から転職エージェントに対して「投資ファンドに興味がある人」というフラグを立てておいた方がいいでしょう。それさえ出来ていないとどんなにあなたにPEファンドで働く適性があったとしても来る話も来なくなってしまいます。

自分の頭と使える情報源をフル活用してPEファンドへの転職を勝ち取ってみてください。

以上「PEファンドの年収はビジネスモデルを理解するとなんとなくわかる話」でした。

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