PEファンドの投資先企業をドラゴンボールでわかりやすく解説する

こんにちは、taikiです。

「PEファンド」×「ドラゴンボール」シリーズが根強い人気があります。

PEファンド情報を知りたい人が多いのか、エンタメとしてドラゴンボールに例えることが好きな人が多いのか、その両方なのかはよくわかりませんが、求められていることはやっぱりやったほうがいいということで、今回もやってみましょう。

今回は、PEファンドが投資先企業を探す際にどのような切り口で物事を考えているかをドラゴンボールに例えながら説明したいと思います。

それでは、説明すっぞ。

投資案件はザックリ4つのパターンがある

PEファンドの誤解あるあるとして「お金の力でどんな会社でも買っちゃうんでしょ?」というのがあります。

残念ながら、そんな簡単に買えません。

売買は売り手と買い手がいて成立するものですし、PEファンドのお金もあくまで投資家から預かっているお金ですから合理性のない使い方は許されないのです。

では、どんな会社を買うのかと言ったら意外とパターンは限られていて4つに集約されます。

4つといってもMECEになっているわけではなくどれかの要素が色濃く入る程度の話です。

1つずつ見ていきましょう。

パターン1:ノンコアヤムチャ型

大企業のノンコア子会社・事業をPEファンドが受け皿となって独立支援するパターンです。

コア事業
企業が営む複数事業のうち、企業の中で相対的に競争力のある中核事業のこと。ただし、売上・利益での貢献は現状他事業に劣るものの、今後の成長を見込んだ上で中核事業と位置づける場合もある。

ノンコア事業
コア事業に位置づけられていない非中核事業。採算がとれているかどうかが判断基準ではない。

出所:日本M&Aセンター M&A用語集

カーブアウトとかスピンオフとかスピンアウトとか言われています。

大きな違いはないので、とりあえずカーブアウトだけ覚えておけばいいでしょう。

カーブアウト
親会社の出資・支援やファンドなど外部組織から投資をうけ、技術や人材など事業の一部を外部に切り出し、新会社として独立させて事業価値を高める経営手法

スピンオフ
親会社が事業を別会社として切り出して子会社にすること

スピンアウト
スピンオフとは異なり、親会社と資本関係を継続させず独立企業とする方法

ドラゴンボールで例えるとヤムチャを外部のリソースを使って独立させるイメージでしょうか。

正直、悟空・ベジータ路線でストーリーを進めていくにあたってヤムチャはいなくても大勢に影響はありません。

しかし、悟空少年期の頃はヤムチャは主要キャラの1人でした。

『ドラゴンボール』(C)鳥山明/集英社

↑クソ生意気な主要キャラ時代

そんなドラゴンボールワールドでは隅に追いやられてしまったヤムチャですが、戦うフィールドさえ変えればまだまだ活躍できる余地はあります。

そこに手を差し伸べるのがPEファンドです。

PEファンドはこのようにヤムチャに対して進言します。

PEさん
PEさん

ヤムチャさん、あなたはかつて主役級の扱いでしたが、今のドラゴンボールのメインシナリオ上での活躍は望めないでしょう。

しかし、ドラゴンボールワールドから離れて、独立したらもっと活躍する場面は巡ってきます。

この際、思い切ってドラゴンボールワールドから出てみませんか?

それを聞いたヤムチャは、当然悪い気はしません。かつて悟空のライバルとして大活躍していた頃を思い出し、胸に熱い想いがこみ上げてきます。

ヤムチャ
ヤムチャ

やっぱりそうだよな、俺はまだ終わっちゃいない。

ドラゴンボールワールドの神様(集英社、鳥山明先生)に相談して、独立を持ちかけてみよう。

後日、ヤムチャはドラゴンボールワールドの神様にプレゼンします。

ヤムチャ
ヤムチャ

今のドラゴンボールの悟空・ベジータ路線では、活躍出来るチャンスが限られていることは理解しています。

何もせずに情けないキャラとして迷惑をかけ続けるのも気が引けますし、メインシナリオでなければまだまだ私は活躍できます。

現に、支援を名乗り出てくれている方(≒PEファンド)もいらっしゃいます。ぜひ、外部の力を借りて、環境を刷新して改めて挑戦する機会をください!

その結果がコレ。

ヤムチャを見事スピンオフさせて再生させました。

☆☆☆

話を現実世界に戻しましょう。

大企業の中になんだかよくわからない子会社だったり、昔は重要だったけど今の路線から行くと重要度は落ちちゃった事業部は探せば結構あるものです。

具体的かつ有名な事例を紹介するとノートPCのVAIOでしょう。

VAIOはかつてSONY傘下にいましたが、ノートPCのコモディティ化に伴い、SONY本体の戦略からも外れてしまいノンコア事業になってしまいました。

コモディティ化:
市場参入時に、高付加価値を持っていた商品の市場価値が低下し、一般的な商品になること。
高付加価値は差別化戦略のひとつで、機能、品質、ブランド力などが挙げられるが、コモディティ化が起こると、これらの特徴が薄れ、消費者にとっての商品選択の基準が市場価格や量に絞られる。
出所:Synergy Marketing

SONY傘下で事業構想から外れたノンコア事業のVAIOでは十分な投資も人材も回してもらえないので、PEファンドの傘下に入って新しい道を模索しました(たぶん)。

こういった大企業に眠るヤムチャ的な事業部や子会社を切り出して、新しい環境で再スタートするような支援はPEファンドがもっとも得意とする分野です。

不遇な環境で燻っているヤムチャのような存在を見つけ出して、自立と成長を促すことは親会社・子会社双方にとっても有益で社会的な価値があります。(もちろん、PEファンド傘下で新しい船出をした企業のすべてがうまくいくとは限りませんが、、、)。

パターン2:デンデを連れてくる型

カーブアウトと並んで紙面やニュースでもチョイチョイ登場する「事業承継」もPEファンドが得意とする分野です。

事業承継とは読んで字の如しで、会社を後継者に引き継ぐことです。

ドラゴンボールで言えば、地球の神様にデンデが就任したことでしょう。

前任の神様が突然の出来事(≒ピッコロとの合体)でいなくなってしまい、神様承継問題が発生します。

ここではまさかの悟空がPEファンド的な動きをします。

ナメック星の人材プールから神様の後継者としてデンデを見つけて連れてきました。

『ドラゴンボール』(C)鳥山明/集英社

もちろん、デンデ以外の人に頼むこともできたでしょうが、誰でもいいという訳ではありません。

その後の神様のオペレーションを回せて、神龍の取り扱いも出来て、チーム(ミスターポポ?)や親密先(悟空とか)と上手に関係を築ける必要があります。

属性、能力、コミュニケーションどれをとっても適任でした。

その後、セルを倒して事業承継が無事に完了しました。

☆☆☆

現実世界では、事業承継に悩む経営者は多くいらっしゃいます。

コンサルくん
社長さん

後継者がいないんだよなぁ。

取引先に迷惑をかけるわけにもいかないし、従業員の雇用も守らなきゃいけないし、どうしよう。

会社は取引先があって、お客さんも従業員もいて社会的な責任も担っています。

社長のご子息が既に違う仕事をしていて引き継ぐ気がない、安心して任せられる人が身近にいない場合は後継者問題が発生します。

また、運良く社長の後継者がいたとしても、ある程度の会社規模があるとオーナーの持っている株式価値が数億から数十億円になってしまい、株式と一緒に経営権を譲渡すると税務問題が発生してしまいます。

単純に後継者がいるだけでスムーズに事業承継は進まないのです。

そこで、PEファンドの出番ですね。

PEファンドがお金の問題を解決しつつ、後継者(≒デンデ)を連れてきて、後継者にインセンティブがキッチリと働くような仕組みを作り、会社を存続させます。

事業承継に悩むオーナー経営者をサポートして、事業承継を促すのもPEファンドの存在意義の1つです。

具体的な事例を紹介するとベビースターラーメンで有名な「おやつカンパニー」でしょうか。

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おやつカンパニーは創業家が株式を保有するいわゆる地方のオーナー系企業でした。

社長は会社の将来を考えると海外展開に活路を見いだせる経営者に引き継ぎたいと考えていました。

そこでPEファンドのリソースを活用することにより、創業家で小さくまとまらずに後継者問題と海外展開を含めた会社のOSのアップデートを実施しました。

おやつカンパニーは台湾で工場を新たに立ち上げ、中華圏や東南アジア進出を一気に押し進めましたが、国内市場を中心に営業してきた地方企業からしたら劇的な変化であることは容易に想像出来るでしょう。

会社の将来を考えた経営者とそれを全面的に尊重したPEファンドの足並みが揃ったとても前向きな事業承継でした(外部からはそう見えた)。

パターン3:精神と時の部屋型

「XXキャピタルによるXX社へのTOB実施。非公開化へ。抜本的な事業構造を見直して数年後の再上場を目指す」みたいなニュース記事を見たことありませんか??

あのニュースは90%以上の確率でPEファンドによる「精神と時の部屋」型の投資案件です。

株式を公開していると、四半期ごとにIRもキッチリ行わないといけないし、事業計画通りにビジネスが進まないと株主に文句言われるし、何かと大変です。

短期的な目標達成に目を光らせる株主と中長期的な取り組みを行いたい経営陣との間での溝が深くなってくるとそこにPEファンドが入り込む余地が出てきます。

☆☆☆

ドラゴンボールで言えば、株式の非公開化は精神と時の部屋に入って修行するようなものでしょう。

『ドラゴンボール』(C)鳥山明/集英社

精神と時の部屋に入ることによってまとまった時間を作ることができます。その間に思いっきり修行に取り組んで、十分強くなったと思えたら部屋の外に出ていく(≒再上場)。

もちろん、精神と時の部屋はPEファンドの監視下であり、決して甘やかされる訳ではありません。

自ら望んで入ったとしても堪えられなくて脱落しちゃう人もいるでしょう。

☆☆☆

最近の事例をあげると雪国まいたけでしょう。

2015年にベインキャピタルのTOBにより非公開化して、2020年9月に再上場予定です。

2015年の段階で銀行借入れの返済が滞っていて、銀行が担保権を行使する形で株式を取得しTOBに応じるという社内でのゴタゴタがあったようです。

その辺りをキレイにして、経営体制を整え、5年の潜伏期間を乗り越えて、スーパーサイヤ人の次の段階に進化して戻ってきました。

新聞記事とかに書かれていることから想像すると相当大変だっただろうなぁ、、、(遠い目)

パターン4:フリーザ侵攻軍型

最後の1つは業績不振の企業がそのまんま丸ごと買収されるパターンです。

傾いた会社を買い取って、経営陣を刷新し、不採算事業やノンコア事業を容赦なく切り捨て、スリム化して蘇らせるいわゆる事業再生です。

事業再生に関しては、以前も取り上げましたね。あれです。

☆☆☆

ドラゴンボールで例えるならフリーザ軍による惑星転売業でしょう。

現代は法治国家ですので、フリーザ軍のように武力で強引に侵略することはありませんが、合法的にある惑星に乗り込んで、惑星を売りやすい形に整えて売却先を探してきます。

『ドラゴンボール』18巻より(C)鳥山明/集英社


↑転売することを想定した上で侵略していることが伺えます

フリーザ軍は売却先には下手に出るのでしょう。けど、フリーザ軍には気性が荒い人が多そうだから売却プロセスもどこかに外注していたと考えるのが妥当かな、、、
 
 
話が脱線してしまったので元に戻しましょう。

フリーザ軍は、神龍を呼び出して会社の借金をキレイにするという荒業も使ったりします。

詳しくはこちらの記事で解説していますので、あわせて参考にしてみてください。

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☆☆☆

再生フェーズのように会社がにっちもさっちも行かない状態に陥っている時はPEファンドのようなリスクマネーが生きるフェーズでもあります。

もっとも代表的な事例ですと半沢直樹の帝国航空、もとい、日本航空(JAL)でしょう。

JAL再生タスクフォースからの企業再生支援機構(Revic)が支援したことになっていますが、血税が多く使われていることもあり、実質的には日本政府の運営するPEファンドと見ることが出来るでしょう。

まとめ:PEファンドが投資出来る領域は意外と限定的

『ドラゴンボール超』5巻より(C)鳥山明,とよたろう/集英社


PEファンドが活躍できる領域は意外と限られているってなんとなくわかって頂けましたでしょうか?

「お金がある=欲しいものはなんでも買える」ではありません。

PEファンドの仕事に興味がある人は、今回の4つの視点でPEファンドのディールを眺めてみてください。

PEファンドごとに大企業モノが強かったり、地方のオーナー系事業承継案件に強かったりとカラーがあるはずです。

以上「PEファンドの投資案件の探し方をドラゴンボールでわかりやすく説明する」でした。

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